嚥下障害への架け橋

急性期病院で治療を終えた後、自宅・施設と戻られます。
嚥下障害は入院したら治るわけではないため、誤嚥を起こさないような介入を続けることが必要になります。
介入のポイントをまとめた書面をお送りしていたある日、「嚥下の勉強会をしてもらうことはできますか?」と嬉しいご依頼をいただき、3月に3回講義をさせていただきました。

今回お邪魔したのは、社会福祉法人旭会 風の丘・アメニティ天白さんです。介護士・看護師・栄養士・事務のかたと、他職種の方にご参加いただきました。

普段やっている”食べる事”が、いろんな動きが複雑に絡み合って初めてできる凄いことであるのを、体験を通しながら学んでいただきました。
みなさんが一番驚いておられたのは「姿勢」だったようです。
なぜ、座って食べることが難しいか…
首の位置・足の支えのちょっとしたことで嚥下機能がこんなにも変化することが驚きだったようです。
初めて聞く摂食・嚥下の講義に、初めはみなさん緊張してましたが、講義の内容から利用者さんのお顔が次々と浮かんできたようです。
「あの人これあるよね?」講義から臨床にすぐにつながっている声を聞くたびに、私はうれしくなりました。
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今回、研修をする代わりにお願いしたのが風の丘さんの嚥下食の試食です。
相手の食事形態(硬さ・量・味・栄養量など)を知ることで、より効果的で継続実践できる内容のご提案が可能となるためです。
当院の栄養士・言語聴覚士も同席させていただき、急性期での介入方法・風の丘さんで今検討していることや困っていることなどの情報共有をさせていただきました。
お話を伺いながら、とてもいい刺激を受けました。
「嚥下障害があっても楽しみのある食事」を提供できるよう、風の丘さんは普段の品数も多く、行事の時にはバイキング形式のお食事のときもあるそうですが嚥下障害の方にも同じようにバイキングが楽しめるそうです。
当院も頑張らなきゃ☆
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嚥下障害をもつ利用者さんは、この先も増えていきます。
しかし、専門的知識を持った職種が在籍するのは限られた病院・施設です。
1つでも多くの施設、1人でも多くのスタッフが”食べること”に関心を持ってくださり、安全で楽しい食支援ができる仲間が増えたら…と心より願っています。
それができるのは、医療よりも介護の場で働いておられる方だと私自身は感じています。私にできることは、きっかけ作りだと思っています。

今回、このような機会を与えてくださった風の丘スタッフの方に心より感謝申し上げます。

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